●Suicaのペンギンが2026年度末で「卒業」します
キャラクター評論家「ろばと でにろう」です
Suicaのペンギンが2026年度末に「卒業」するという発表に、驚きと寂しさを感じています
Suicaのペンギン

(C)Chiharu Sakazaki/JR東日本/DENTSU
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JR東日本によると、モバイルSuicaは2026年秋にQRコードとバーコードの新たな決済機能を搭載し、チャージの上限額も現在の2万円から30万円に増えます
またチャージ額を分け合う機能も加えます
つまり、Suicaは「電車に乗るためのカード」から「何でも支払える総合決済アプリ」へと大きく進化するわけです
Suicaのペンギンを2026年度末で「卒業」させるのは、Suicaが新しい次元へ進化することから、この節目でキャラクターも世代交代するという判断によるものということです
しかし、キャラクター専門家としては思うことがあります
シンプルなデザインで時代遅れになるような感じではなく、全身が描かれていなくても顔だけで「Suicaだ」と一目でわかる優秀なデザインという評価があるように、Suicaのペンギンのデザイン完成度は極めて高いです
これをなぜ変える必要があるのか、変えてそれ以上のものを生み出せるのか、という思いです
イラストレーターの坂崎千春さんが手掛けたSuicaのペンギンは、2001年に誕生して以来マスコットキャラクターとして四半世紀にわたって活躍し、ぬいぐるみや文房具など様々な関連グッズが販売され人気となりました
Suicaのペンギンは元々Suicaのために描いたわけではなく、坂崎さんの絵本『ペンギンゴコロ』(1998年発刊)を見た広告会社の担当者から依頼があって生まれたものです
坂崎さん自身が「ニュートラルな感じで、性別も強い個性も持たせていない。Suicaを使う人の象徴としているところがよかったのかもしれない」「正円のペンギンの面顔デザインができたことも大きかった」と語るように、その成功には明確な戦略がありました
Suicaのペンギンが2026年度末で「卒業」するという発表を受けて、ネット上では「悲しい」「いきなりで驚いた」「ペンギンのグッズも好きだった」といった声が続々と寄せられ、X上では「Suicaのペンギン」がトレンド入りしました
「四半世紀において愛されたキャラクターの卒業は、なんとも寂しい」という声は、多くの人の気持ちを代弁しています
作者の坂崎千春さんも「25年という長い時間、Suicaのペンギンとして歩むことができて幸せでした。最後の1年も精一杯務めさせていただきます。応援してくださった皆さま、今まで本当にありがとうございました」と感謝のメッセージを寄せています
新たなイメージキャラクターは、進化するSuicaのイメージを担うものとなり、誕生プロセスにおいて、何らかの形でユーザーに参画してもらうことも検討しているそうです
利用者参加型でキャラクターを決める試みは興味深いですが、ペンギンを超える存在が生まれるかどうかは未知数です
キャラクターとしては大きな賭けと言えます
ところで全国の交通系ICカードには、Suicaのペンギン以外にも個性豊かなマスコットキャラクターが存在しています
北海道のKitacaにはエゾモモンガがいます
PASMOには2007年から「PASMOのロボット」というキビキビと移動するのが大好きな行動派の癒し系ロボットがいます
中部のTOICAには黄色くて丸いヒヨコの親子のようなデザインのキャラクターがいます
関西のICOCAには漫画家の夏野ひまわりさんがデザインしたカモノハシの「イコちゃん」がいます
カモノハシが選ばれた理由は、先進性・機能性・そしてくちばしで微弱な電波を感じ取る能力をICカードの非接触通信機能と掛けた「IC」という3つの特性からだそうです
九州のSUGOCAには『パラッパラッパー』などで知られるロドニー・グリーンブラット氏がデザインしたカエルくんがいます
nimocaにはフェレット、はやかけんには「ちかまる」というキャラクターがいます
それぞれに地域性や機能性を反映したユニークなキャラクターたちが、日本中に存在しているのです
交通系ICカードのマスコットキャラクターは、単なる装飾ではありません
毎日の通勤通学で目にする存在として、私たちの生活に深く溶け込み、愛着もわいてきます
Suicaのペンギンが25年間で成し遂げたのは、まさにそうした「見えない絆」の構築だったと言えます
卒業に向けて最後の1年、ファンに向けたキャンペーンが実施されるそうです
あたくしは新しいキャラクターがどんな存在になるのか注目していきます
Suicaのペンギンは、間違いなく日本のキャラクター史に残る偉大な存在です
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キャラクター評論家 ろばと でにろう
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