まっ白な灰になるまで描き続けたちばてつやさん
キャラクター戦略アドバイザー「ろばと でにろう」です
漫画家のちばてつやさんが亡くなられました
心よりご冥福をお祈りいたします

戦後漫画を牽引した70年
ちばさんは1939年生まれで、終戦後に旧満州から引き揚げ1956年に17歳で漫画家デビューを果たしました
代表作は何といっても『あしたのジョー』です
そのほか、学園やスポーツを題材にした『おれは鉄兵』『のたり松太郎』『あした天気になあれ』、さらに『ちかいの魔球』『紫電改のタカ』『ハリスの旋風』など数多くの名作を生み出しました
社会現象となった『あしたのジョー』
1967年12月に連載が始まった『あしたのジョー』(原作:高森朝雄(梶原一騎)、作画:ちばてつや)は、主人公のボクサー・矢吹丈とライバル・力石徹が熱狂的な人気を集め、ボクシング漫画の金字塔として社会現象を巻き起こしました
象徴的なエピソードが力石の「葬儀」です
作中で力石が亡くなると、1970年に講談社で告別式が実施され多数のファンが参列しました
架空のキャラクターのために本物の葬式が営まれる
キャラクターが現実の人々の心に生きていた何よりの証です
最終回のラストシーン、ジョーが最後に見せた姿はいまも漫画史に残る名場面です
「まっ白に燃え尽きた」という言葉は、世代を超えて語り継がれています

戦争体験が刻まれたジョー
見落とせないのは、この作品の根底にある戦争の記憶です
ちばさんは2024年のインタビューで引き揚げの過酷な体験を語り、力石の死に至る減量シーンは引き揚げ時に骨と皮だけになっていた日本人の姿がモチーフだったと明かしています
あの凄まじい減量描写の背景に、少年時代に見た飢えと死があった
そう知ると、ジョーと力石の闘いが単なるスポーツ漫画を超えて胸に迫ってきます
世代を超えて受け継がれるもの
講談社の新人賞「ちばてつや賞」は創設から46年を数え、後進の育成にも大きく貢献されました
ちばさんは自身の半生を描いたエッセー漫画『ひねもすのたり日記』を今年の8月まで連載し、生涯現役を貫かれました
まさに燃え尽きるまで描き続けた生涯でした
ちば先生、本当にありがとうございました
